経営者にとって設備投資は必要不可欠なものですが、費用が大きい場合は、経営にとって大きな負担となります。
経営者のお金の悩みを少しでも和らげる制度、それが補助金制度なのです。
補助金とは「事業者の取り組みをサポートするために国や自治体が資金を給付してくれるお金」です。
銀行からの資金調達と異なり、お金は返済する必要がありません。
補助金活用のメリット
大きく分けて3つのメリットがあります。
お金を手元に残しながら事業投資ができる
先ほどの例では、本来1000万円かかる設備投資を補助金を活用することで実質250万円の負担で行うことができます。
このように、金銭的リスクが高い設備投資を安く抑え、事業資金を残してチャレンジができます。
事業を拡大する時のリスクを少なくできる
新しいことにチャレンジする場合、成功を信じて挑戦するわけですが、残念ながら失敗するリスクをゼロにすることはできません。
もしこの事業投資が失敗したとして、投資額1000万円を丸々損するか、補助金を活用して250万円の損失に抑えるか、どちらが挑戦リスクが低いでしょうか?
補助金を活用することで、挑戦により損をするリスクを抑えることができます。
公的機関から認められた事業としてPR可能
補助金をもらうためには、国などから計画が認められる必要があります。
言い換えれば、「国が計画の有効性を認めた取り組み」であるということです。
例えば、名刺やホームページに「補助事業に採択された」と書くことで公的機関から認められた事業としてPR材料にしている企業もあります。
補助金活用のデメリット
大きく分けて3つのデメリットがあります。
補助金の採択率は40〜50%程度
補助金はいわば「申請したらお金がもらえる」制度ですので、欲しい事業者はたくさんいます。
一方で補助金の予算はあらかじめ決まっているため、応募者全員が通過するわけではありません。
Googleで「補助金」と検索して上位に出てくるメジャーな補助金の採択率は平均40〜50%程度となります。
補助金はもらえる前提ではなく、もらえなかった場合でも黒字になるような企画を練ることが大事です。
事業投資後に補助金が振り込まれる
補助金制度は「補助金が振り込まれてから先行投資をするのではなく、先行投資をした後で補助金がもらえる」という仕組みです。
そのため、補助金を当てにして財務管理をしてしまうと、運転資金が頼りなくなってしまい危険です。
事業投資が先で、補助金は終わった後に振り込まれることに気をつけましょう。
補助対象にできない経費も存在する
ごく一部例外はありますが、下記の経費は基本的には補助金の対象外となります。
- 不動産(土地・建物)の購入費用
- 太陽光発電など資産性の高い設備
- 車、パソコン、カメラなど汎用性の高い設備
- 株式、保険など
- 補助金申請に関するコンサルティング費用
補助金を受け取るまでのスケジュール
ほとんどの補助金は、下記のような流れで手続きを行う必要があります。
6〜12ヶ月先の経費を申請すること
補助金制度を使って事業投資をする場合、交付申請が完了してからでないと事業投資ができません。
初めて補助金を活用したい方の場合、補助金の審査や採択、交付申請などの手続きが終わるのに6ヶ月はかかります。
ボトルネックになる事業投資は補助金を使わないこと
特に新規事業立ち上げの際に気をつけたいのが、「ボトルネック工程を補助対象経費にするのを避ける」ということです。
事務局の都合で審査が遅れることが少なくありません。
例えば、新しい飲食店をオープンする時に、すぐに行う必要のある店舗改装費用や必須設備の導入を補助対象経費にしてはいけません。
補助事業の遅れにより、店舗のオープンが遅れてしまい、かえって損してしまう可能性が高いからです。
補助対象経費は、ボトルネックにならないチラシの配布や追加設備の導入などを登録しましょう。
まとめ:補助金は必要な時に必要な分だけ活用しよう
補助金は年間数百種類も募集されていますし、毎年新しい補助金が出ています。
全て使う必要はもちろんありません。
事業拡大の役に立つと思ったものを選んで申請すると、成功しやすいですよ。