【2023年最新】令和5年度ものづくり補助金の概要と製造業のケース別オススメ枠を徹底解説

未分類

2023年度からものづくり補助金の内容が変わり、非常に魅力的な制度になりました。

そこでこの記事では、下記のような方に向けて情報をお伝えします。

  • ものづくり補助金でなにができるのかを知りたい
  • 前回との変更点をサクッと知りたい
  • 自分の企画はどの類型申し込めば良いか分からない
  • 採択率を上げる方法を知りたい

 

補助金でお困りの方は一度ご相談ください!/

 

ものづくり補助⾦の概要

ものづくり補助金(正式名称:ものづくり・商業・サービス⽣産性向上促進事業)とは、製造業を中心に、中小企業の生産性を引き上げるための補助金です。

募集は1年中行っているので、他の補助金と比べて使いやすいという特徴があります。

標準の補助金の範囲は100万円から1,250万円で、補助が受けられる割合は通常であれば対象経費の1/2ですが、小規模事業者の場合は2/3となります。

また、「グリーン枠」や「デジタル枠」といった特定のカテゴリーも存在し、これらの枠を利用すると、より多くの補助を受けることが可能です。

採択発表は、3ヶ月に1回行われます。

そのため、一度申請して仮に「不採択」となった場合でも次回の応募に間に合うので、不採択となった理由を補助金事務局に確認した上で、申請内容をブラッシュアップして次回に応募することで、採択率を上げることもできます。

 

補助対象経費

項目要件
補助対象の内容中小企業者等が行う「革新的な製品・サービス開発」又は
「生産プロセス・サービス提供方法の改善」に必要な設備
・システム投資等を支援
補助金額100万円~1,250万円
設備投資の条件税抜き単価50万円以上の設備投資が必要
対象となる経費[通常枠] 機械装置・システム構築費、技術導入費、
専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、原材料費、
外注費、知的財産権等関連経費

上記のうち、主に製造業が申請・活用しやすい補助対象経費が、機械装置・システム構築費です。

これは、

  • 「革新的な製品・サービス開発」
  • 「生産プロセス・ サービス提供方法の改善」

この2つのどちらかに該当すれば導入可能となります。

設備投資の関しては条件として、単価が50万円以上のものを導入することが必要となります。

そのため、製造業の方であれば、「最新の工作機械を導入したい!」というときに活用できます

他にも、「システムを導入するなど、デジタル技術を使って業務を効率化させたい」といった「工場のDX化」を進める場合にも活用可能でしょう。

 

補助上限額・補助率

各申請枠ごとの補助金額と補助率は、下記のとおりです。

「https://portal.monodukuri-hojo.jp/common/bunsho/ippan/14th/令和4年度補正%20ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金の概要_20230111.pdf」から引用

 

見直し・拡充(令和5年度補正予算)のポイント5つ

ものづくり補助金の令和5年度補正予算分では、大きく5つの変更点がありました。

  • ①大幅賃上げを行うと補助上限額が引き上げ
  • ②グリーン枠が拡充され3カテゴリーに
  • ③グローバル展開支援の強化
  • ④「認定機器・システム導入型」が新たに創設
  • ⑤その他の変更点

 

①大幅賃上げを行うと補助上限額が引き上げ

大幅な賃上げに取り組む事業者については、補助上限額が引き上げられます。

例えば、通常枠であれば補助上限額が1,250万円ですが、要件を満たすことによって2,250万円まで上限を引き上げることができます。

その条件は大きく分けて2つ

  • 給与支給総額年平均6%増加
  • 事業場内最低賃金を年額45円以上引上げ

補助上限額の引き上げを行う場合には、この2点を盛り込んだ計画書の作成が必要です。

また、この引き上げを利用する際の注意点としては、賃金引き上げの条件を採択後に満たせなかった場合には、補助金の全額返金があることです。

 

②グリーン枠が拡充され3カテゴリーに

  • 温室効果ガスの排出削減に資する革新的な製品・サービスの開発
  • 炭素生産性向上を伴う生産プロセス・サービス提供方法の改善

これらを行う事業者を対象としたものが「グリーン枠」です。

以前までは1パターンしかなかったのですが、今回から3つの段階(エントリー、スタンダード、アドバンス)に分けられました。

特に高度な取組を進める事業者には、補助金の上限が最大4,000万円まで増額されます。

 

例外はありますが、2023年9月現在において、「温室効果ガス削減に資する」というのは、ほとんどの場合「節電」によるものが当てはまります。

ですので、

  • 今ある機械の電気消費量よりを抑えて製品を開発する
  • 他社の節電を後押しするようなシステムを開発する

このような活用が想定されます。

もちろん、この他にも活用できる例はあるので、詳細事例を知りたい方は弊社までお気軽にお問い合わせください。

 

③グローバル展開支援の強化

海外事業の拡大等を支援する「グローバル展開型」が「グローバル市場開拓枠」に名称変更され、支援内容が強化されました。

主な内容は次のとおり

  • 一部類型において、ブランディング・プロモーション等に係る経費が補助対象として追加。
  • 補助下限額を1,000万円から100万円に引き下げることで、使い勝手を向上。

ちなみに、この海外市場開拓の支援については、元々別の補助金であった中小企業庁の「JAPANブランド補助金」がものづくり補助金と一体となった形です。

 

④「認定機器・システム導入型」が新たに創設

本補助金の新たな枠である「認定機器・システム導入型」が新たに創設されます。

これは、各業界の特定の課題を解決するための機械やシステムの導入をサポートするというものです。

今年度は、各業種・業態が直面する一般的な課題の特定と、それに対する研究開発の推進を行います。

そのため、どのような機械やシステムが対象となるかなどの詳細は、今後明らかになってきます。

 

⑤その他の変更点

その他の変更点は、以下のとおり

  • 「社会福祉法人」が補助対象事業者に追加。
  • 「ビジネスモデル構築型」が廃止。

 

【製造業】規模別・プロジェクト別のおすすめ申請類型

ものづくり補助金には、複数の申請類型があります。

そこで以下では、製造業の方に焦点を当てて、どの申請類型に申し込むべきかを、プロジェクトや会社規模などの条件から例示します。

  • ケース①:従業員7人・1,500万円の新しい工作機械を導入したい場合
  • ケース②:従業員27人・工場2箇所・工程管理をデジタル化したい場合
  • ケース③:従業員53人・自社製品を海外向けにバージョンアップ&海外へ市場展開したい場合
  • ケース④:従業員12人・300万円程度のシステムを導入したい場合

 

ケース①:従業員7人・1,500万円の新しい工作機械を導入したい場合

このようなケースでは、通常枠がオススメです。

通常枠において、従業員数が6〜20人の場合、補助上限額は1,000円となります。

また、製造業の場合は、従業員数20人以下であれば「小規模事業者」に該当するため、補助率は2/3となります。

今回のケースにおいてこの補助金額・補助率を当てはめてみると、1,500万円の工作機械は、2/3で1,000万円なので、補助金を満額もらうことができますね。

通常枠の場合は、

  • 新しい部品を作る機械
  • より精度の高い部品を作る機械
  • 同じ部品でも、生産個数がより多くなるような機械

このような場合に活用可能です。

今回のケースにおいては、一番条件のゆるい「通常枠」に申し込むことをお勧めします

 

ケース②:従業員27人・工場2箇所・工程管理をデジタル化したい場合

このケースにおいては、デジタル枠がおすすめです。

通常枠とデジタル枠の大きな違いは「補助率」です。

通常枠であれば、従業員数に応じて1/2または2/3となります。

一方、デジタル枠であれば、補助率は人数にかかわらず一律で2/3です。

そのため、今回のケースのように「従業員数が21人以上」の場合は、デジタル枠を利用した方が有利と言えます。

特に今回は従業員数が27人なので、補助上限額は1,250万円

そして、工程管理をデジタル化したいということで、「生産性・業務効率化をデジタルによって解決する」ということなるため、デジタル枠の申請要件を満たしています。

申請要件としては、通常枠の要件に加えて、下記の2つを満たす必要があります。

  • 経済産業省が公開するDX推進指標を活用して、DX推進に向けた現状や課題に対する認識を共有する等の自己診断を実施するとともに、自己診断結果を応募締切日までに独立行政法人情報処理推進機構(IPA)に対して提出していること。
  • 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する「SECURITYACTION」の「★一つ星」または「★★ 二つ星」いずれかの宣言を応募申請時点で行っていること。

(公募要領15ページ参照)

これらは両方とも、慣れてしまえば1時間程度で申請できます。

そのためデジタル枠は、通常枠から追加の負担もほとんどなく申請が可能です。

 

ケース③:従業員53人・自社製品を海外向けにバージョンアップ&海外へ市場展開したい場合

こちらのケースでは、グローバル市場開拓枠のうち、海外市場開拓枠「JAPANブランド申請」がおすすめです。

今回の場合、補助上限額は3,000万円。

小規模事業者ではないため、補助率は1/2となります。

例えば、

自社製品を海外事業者向けにバージョンアップしたいけど、手持ちの機械ではできないなぁ…。

このような場合には、「そのために新しく導入する設備導入にかかる費用」を補助対象とすることができます。

さらに、今回から、下記のような費用も補助対象経費に入れることができるようになりました。

  • 広告宣伝費
  • 販売促進費
  • 海外旅費
  • 通訳翻訳費

そのため、商品を開発することだけでなく、海外に行ってプロモーションを行う費用も補助対象になります。

海外での販路拡大も見据えた事業を作りたい方は、こちらの類型がお勧めです。

 

ケース④:従業員12人・300万円程度のシステムを導入したい場合

このケースでは、ものづくり補助金ではなく、別の補助金の利用をおすすめします。

例えば、「小規模事業者持続化補助金」の賃金引き上げ枠。

こちらであれば、製造業の場合、20人以下で申請が可能です。

さらに、通常枠の要件でもある「最低賃金を事業実施期間内に30円引き上げる」を満たせば申請ができます。

つまり、ものづくり補助金とほぼ変わらない要件で、より難易度の低い補助金に挑戦することができます。

そのため、300万円程度のシステムを導入するのであれば、「小規模事業者持続化補助金」の方がオススメです。

 

採択を勝ち取るためのポイント2選

ものづくり補助金で採択を勝ち取るためのポイントを2つ紹介します。

 

①専門家と一緒に高クオリティな計画書を作る

採択の鍵となるのは高品質な申請資料の作成です。

そのためには専門家のサポートを活用することが非常に有効です。

世の中に多くある「補助金」というものは、基本的には採択率が30〜50%となっています。

ものづくり補助金の採択率に関しては、

  • 13次締切が58.0%
  • 14次締切が50.7%

このように採択率が大きく下がっている傾向にあります。

また、この傾向はこれからも続くことが予想されます。

そのため、より確実に採択率を上げるためには、採択実績のある専門家に相談をして、申請書類のクオリティを上げることが重要となります。

 

実際に、ものづくり補助金で採択を受けた人の多くが「支援者の関与」を受けています。

https://portal.monodukuri-hojo.jp/dataportal.htmlから引用

また、支援の有無によって採択率にも大きな影響が出ています。

  • 支援なしの採択率は35%程度ですが、
  • 支援ありの採択率は51.9〜60.7%の間となっています。

そのため、より確実に採択させたいのであれば専門家への相談しましょう。

 

②「gビズID」のアカウント作成をしておく

補助金の申請には「gビズID」を使って電子申請を行う必要があります。

今までは、gビズID取得のために書類を郵送する必要があったので、申請から発行までに約二週間かかっていました。

今ではオンライン申請が可能になったので、マイナンバーカードとスマートフォンがお手元にあれば、すぐ発行することができるようになりました

gビズID取得の取得はこちらから

弊社では、アカウントの発行方法も無料でお伝えしていますので、もし発行方法に不安があればお気軽にご相談ください。

 

まとめ

2023年のものづくり補助金のキーワードは、

  • 「賃金引上げ」
  • 「低炭素社会の実現」

この2つが大きな柱となっています。

これらに大きく関わるのが、製造業の事業者の方々です。

直面する課題は多いですが、その分手厚い支援が豊富に用意されていますので、事業拡大する際にはできるだけ補助金を活用するようにしましょう。

 

お問い合わせはこちら

    以下のフォームに必要情報を入力してください

    補助金の相談経営コンサルティングの相談取材の相談その他

    この記事を書いた人
    代表取締役 藤井孝介

    元キャリア官僚。農林水産省、製造業向け大手人材会社営業、会計事務所取締役を経て2023年4月に株式会社プリュムを創業。初見の補助金が得意で、2年間で60件(12種類)を採択に導く。2023年3月『補助金から学ぶ経営者マインド(幻冬社)』出版。補助金申請支援を行うほか、社会貢献活動として高校での出張授業や大学3〜4年生向けに面接対策など人材育成に取り組む。

    未分類
    製造業のための補助金ラボ